現高校1年生の昨年秋(中3)のお話です。静岡県の藤枝東高校を希望する選手がいて、秋一緒に藤枝まで行きました。駐車場に付くとエスパ・ジュビロなどの選手も来ていました。早く付いたので車の中にいると、藤枝のジャージを着てジ~ッとこちらを見ている選手が会釈をしました。「あっ。ケンペー。」「こんにちは、お久しぶりです。」まぎれもなく、小学生の時ヴィヴァイオのスクールに来ていて、中学を静岡の東海大1中に進んだ。ケンペイ君でした。握手のあと、高校の細かい様子を聞き、レギュラーになったら必ず応援に行く約束をし、もしうちの選手が入るようだったら頼むとお願いをし別れました。体育教官室に通され監督である服部先生と初めてお話をさせていただきました。藤枝東としては、セレクション的な形で選手を取ることができないというお話や静岡県のサッカー事情、受験の体制などのお話をお伺いすることができました。全国屈指の強豪校だけに、こちらとしては構えて足を運んだ経緯もあり物腰の柔らかさと優しい雰囲気に、失礼ながら「親近感」を感じた20分でした。高校の練習会といえば、アップをしてゲームで力を見るというのが私自身が今まで見てきた定番であったし、そのような形をイメージして静岡まで行きました。ところが、サブグランドに集まった中3生に対しで若いコーチが行ったのはトレーニングでした。コーチの要求した場所に正確に両足で蹴ること。1対1。シュート。すべてにおいて基本が無くては行うことができないメニューをじっくりと時間をかけて取り組んでいました。率直な感想は、「いやあ一。参ったなあ一。」というところでしょうか。基礎基本をじっくりと時間をかけて見るような練習会は初めてであったし、全く予想していないことだったからです。学力の高い藤枝東受験のために、しぱらく本格的な練習から遠ざかっていたこともあり、時間をかけて徹底した基礎を行われると、いろいろな面が目立ってきてしまうという心配を、練習をメモりながらしていました。午後はゲームでした。受験勉強の影響もあり早い段階で息が上がってしまいましたが、要所要所に本人の持ち味が見られたゲームでした。午前中ゲームで昼過ぎには静岡を出られるかなあ一と考えていましたが、ゲーム終了後は日も落ちて暗くなっていました。教室に選手と保護者が集められ監督からお話がありました。「素晴らしい選手もいますが、藤枝東は進学校であり、サッカーだけをする場所ではないため声をかけることができません。他の高校から取ってもらえる話がある選手はどうぞそちらに行ってください。今日トレーニングと試合を体験して、サッカーも勉強も頑張りたいと考えている選手がいたら藤枝東を受けて下さい。ここを出た成岡も、他の選手達も、サッカーだけでなく勉強も学校生活もしっかりやった選手達です。……」「本当に来て良かった。」いろいろなチームの練習会に足を運んでいますが、静岡まで来てこのような体験ができるとは思いもよりませんでした。監督からのお話のあと、全体が引き上げてからあらためて教官室に足を運び、いろいろな面で本当に勉強になりましたという感謝の言葉を伝えました。成績的なことがあり、私自身はサッカーで取ってくれなければ難しいという思いがありました。帰りの車の中、本人が熟睡している状態で保護者と話し合い、最終的に本人が受験をするという決意を持ちその後相当の努力をしたことと思います。かなり高いハードルと感じていましたので、合格という朗報を貰った時は、本人の頑張りに敬服したものです。7月17目に藤枝総合で東海プリンスリーグ、グランパス対藤枝東とエスパルス対静岡学園があります。ヴィヴァイオの中学2 年生でも連れて、見学に行くことを考えていますが、2年生ながらGKでレギュラーを獲得したケンペイを応援と、スタンドで応援しているであろう本人に会うことも楽しみにしています。 (渡辺)